上位表示するための具体的な文章を書くポイント

Googleは、有益で関連性の高い情報をユーザーに提供することを目指しています。そのうえで、コンテンツの品質基準のひとつとして、

「ユーザーにとって役立つかどうか」

という観点を明示しています。

(引用元URL:https://support.google.com/webmasters/answer/35769?hl=ja

ユーザーの役に立つコンテンツを構成するの要素の中で最も大切なポイントは、そのコンテンツが「具体的であること」です。
これは、コンテンツを読んだユーザーが、検索したときに悩んでいたことや学びたかったことに対して、何かしらの意思決定やアクションを起こせるようになることが「役立つコンテンツ」を構築する要素のひとつであるためです。

人が読んでアクションを起こせるコンテンツは、決して抽象的ではなく具体的な情報やアドバイスが提示されていなくてはなりません。

具体的な文章には、主張と根拠が必要

検索エンジンを介してサイトに訪れるユーザーは、何らかの悩みを持ってキーワードを打ち込み検索しています。

ユーザーの抱える悩みや疑問を解決したり、行動しようとしていることに対して背中を押すためには、読んでくれているコンテンツに明確な主張があり、さらにその主張を支える確からしい根拠が書かれていることが理想的です。

主張は記事の結論にあたる核

具体的な文章を書くための大前提として、「この文章で筆者は何を主張したいのか?」が明確に書かれていることが必要です。

たとえば「犬 トイレ しつけ」で検索したユーザーは、飼っている犬がなかなか指定の場所で用を足すことを覚えずに困っているので、トイレのしつけ方法を学び直し実践したい! と考えている可能性が高いです。
これに対して筆者は、たとえば「犬がトイレに失敗しても叱らず、飼い主がこまめに犬をトイレに連れて行くべき」という主張を明確にしておく必要があります。
また、主張はサイトのスタンスや筆者の考えによって異なって当然ですし、キーワードによっては主張がひとつではなく複数必要な場合もあります。この主張は「失敗しても叱らない」と「こまめにトイレに連れて行く」と二つの要素を含有していますが、それも構いません。

ちなみにこれに対する悪い例は、「犬によって排泄の時間は違うので根気よくしつけましょう」のような、結果的に読者が具体的な解決方法を得られなかったり、再検索してほかのサイトに行ってしまうような抽象的な結論が述べられているパターンです。

キーワードから連想される情報や単語の羅列だけでは、読者に役立つコンテンツを制作することはできません。

主張を支える根拠を複数提示する

主張を明確にしたら、今度はその主張を支える根拠を用意しなくてはなりません。根拠のない主張は具体的ではなく、説得力も持たないためです。

「犬 トイレ しつけ」というキーワードを狙った記事の主張が「犬がトイレに失敗しても叱らず、飼い主がこまめに犬をトイレに連れて行くべき」の場合、「なぜ粗相をしても叱ってはいけず、さらに飼い主がこまめに犬をトイレに連れて行かないといけないのか?」を明確にする必要があります。

この場合、根拠となり得る情報(理由)は以下が想定できます。

  1. 失敗したときに叱ると、排泄行為自体がいけない事だと犬が思ってしまうため
  2. 犬は排泄するスパンが週齢でほぼ決まっているため
  3. トイレ以外で粗相をするとそこに排泄物の臭いがつき、犬がまた同じ場所で粗相をしてしまう可能性が高いため

複数の主張を提示する理由は、根拠がひとつだと具体性と説得力に欠けるためです。また、主張に対して根拠がひとつだけだと、論理的とも言い難いでしょう。
つまり、根拠をひとつしか提示しないと、読者が「これは有益な情報が書いてある記事だ!」と判断する要素を筆者自ら削ってしまうことになるのです。

「だから何?」と感じさせない文章にする

主張と根拠を明確にしても、それだけでは文章になりません。また、主張と根拠があれば論理的にはなり得ますが、具体性が十分ではない文章になる可能性があります。

そのため、自身の文章に対して「So What?(だから何?)」と問いかける癖をつけることが大切です。

  • この段落では何が言いたいんだろう
  • この文章は何の意味があるんだろう

上記のような視点を持ちながら文章を書くだけでも、記事の持つ具体性が飛躍的に向上します。

筆者自身が「だから何?」と思ってしまう文章は、読者も確実に「……で?」と感じるので、少し厳しめに「So What」を考えながら書いてちょうど良いくらいです。

たとえば、主張に対する根拠として何らかのデータを持ち出したとき、「So What」が欠落した文章を書いてしまうことがあります。ここでは、以下のデータ(H23東京都犬猫調査)を例に文章を作ってみます。

(画像引用元URL:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kankyo/aigo/horeishiryou/siryou.files/23tyousa_gaiyou.pdf

 

文章例1

平成23年に東京都が行った調査では、58.6%もの住民が「犬の鳴き声や糞尿に対して迷惑だと感じる」と回答しています。

上記の文章(データ)には、「これくらい多くの人が犬の鳴き声や糞尿を迷惑だと感じているんだから、犬のしつけはちゃんとしたほうが良いよね」という筆者の考えが背景に隠れているのですが、これを読者に読み取ってもらおうとせず、きちんと文章に起こしたほうがより具体的な文章になります。

文章例2

平成23年に東京都が行った調査では、58.6%もの住民が「犬の鳴き声や糞尿に対して迷惑だと感じる」と回答しており、犬が地域社会で暮らしやすくするためには、飼い主のしつけが必須だと言えます。

上のような文章であれば、これを読んだ読者が何をすべきか、なぜそれをすべきか、という具体性がより明確になります。

 

論理性と具体性がなければ、読者の欲求に応えられない

ロジカルシンキング(論理的思考性)は、新しい発想を妨げたり選択肢を狭めたりするデメリットがある、とよく言われます。

もちろんそれは一理あるのですが、なんらかの悩みや疑問を持って検索キーワードを打ち込んで記事を読みに来てくれる読者に、抽象的な情報は必要ありません。検索ユーザーは明確な答えや、背中を押してくれる説得力を求めているためです。

一般的には、主張と根拠が明確で具体性を突き詰めた文章を書く機会が少ないため、SEO向けの文章は普通のエッセイやコラムとは異なる難しさがあります。

しかし、これはトレーニングである程度のレベルまで向上することができるスキルです。文章を書く実践はもちろん必須ですが、日常的に(特にビジネスシーンで)「この会話における主張と根拠は何か?」「このメール文、具体性に欠けていないか?結局何を言いたいのか?」と意識することをおすすめします。

おすすめ書籍・飯間浩明「伝わるシンプル文章術」

論理的な文章を書くメソッドが詰まっています。あまり堅苦しいノウハウや表現は使われていないので、入門として最適です。
また、著者の飯間浩明さんは日本語学者にして『三省堂国語辞典』編集委員なので、この本の文章そのものがとても読みやすく、勉強になります。