モバイルファーストインデックスの基本情報からSEOへの影響や対応方法、確認方法を解説します。
モバイルファーストインデックスとは
モバイルファーストインデックス(MFI)は、Googleがモバイル版のページを優先的に評価し、インデックスに登録する方針です。従来はパソコン版のコンテンツが評価の基準でしたが、現在はスマートフォン用Googlebotがクロールの主軸となり、モバイル版の内容をもとに検索順位を決定します。同じURLでパソコンとモバイルの両方に対応していても、Googleが評価に用いるのはモバイル版の情報です。
モバイルファーストインデックスが導入された背景
モバイルファーストインデックスが導入された背景には、検索を利用するユーザーの行動の変化があります。スマートフォンの普及にともない、モバイル端末からの検索数がパソコンを上回って増加し、Googleにアクセスするユーザーの多くがモバイルを使うようになりました。この変化を受けて、Googleはモバイル版を基準とする評価へ移行しています。MFIは2016年に発表され、2018年から段階的に展開が進みました。その後、2023年10月に移行計画の完了が発表され、パソコン用Googlebotによるクロールを縮小する方針が示されました。2024年7月5日にはパソコン用Googlebotによるクロールが終了し、すべてのサイトでモバイル版を主軸とする運用へ完全に移行しています。
ただし、商品リスティングや Google ジョブ検索といった一部の検索機能では、パソコン用Googlebotが使われる場合があります。
現在はすべてのサイトでモバイルファーストインデックスが適用されている
2023年10月の移行完了の発表と、2024年7月5日のパソコン用Googlebotによるクロール終了により、現在は原則としてすべてのサイトがモバイルファーストインデックスの対象です。スマートフォン用Googlebotがクロールできないサイトは、Google検索にインデックスされない状態になります。そのため、適用されているかどうかを判定する段階ではなく、モバイル版が正しくクロール・インデックスされているかを確認する段階に移っています。
モバイルファーストインデックスとモバイルフレンドリーの違い
モバイルファーストインデックスとモバイルフレンドリーは名称が似ているため混同されやすいですが、対象とする範囲が異なります。MFIはGoogleが評価・インデックスに用いるコンテンツの基準を切り替える仕組みで、モバイルフレンドリーはモバイルでの使いやすさを評価する仕組みです。両者の違いを次の表に整理します。
| 比較項目 | モバイルファーストインデックス | モバイルフレンドリー |
|---|---|---|
| 概要 | モバイル版を基準に評価・インデックスする仕組み | スマートフォンでの見やすさ・使いやすさを評価する仕組み |
| 由来 | 2016年に発表され、2024年7月に完全移行 | 2015年のアルゴリズム更新 |
| SEOへの影響 | 評価とインデックスの基準がモバイル版に変わる | モバイル対応の度合いが検索順位に影響する |
モバイルファーストインデックスはインデックスの対象を切り替える仕組み
モバイルファーストインデックスは、Googleが評価とインデックスに使う材料を、パソコン版からモバイル版へ切り替える仕組みです。検索順位の評価基準そのものがモバイル版のコンテンツに置き換わるため、モバイル版に掲載した情報がそのまま検索エンジンの評価対象になります。
モバイルフレンドリーはスマートフォンで見やすく使いやすいか評価される仕組み
モバイルフレンドリーは、2015年のアルゴリズム更新を起点とする概念で、スマートフォンでページが見やすく使いやすいかを評価します。タップしやすいボタンの配置、読みやすい文字サイズ、ビューポートの設定などのモバイル対応の度合いが検索順位に影響します。インデックスの対象を切り替えるMFIとは目的が異なる別の仕組みです。
モバイルファーストインデックスのSEOへの影響
モバイルファーストインデックスの影響は、すべてのサイトに一律で及ぶわけではなく、モバイル対応の状態によって大きさが変わります。とくに次の3類型のサイトは影響を受けやすく、SEOの観点で確認が必要です。
- パソコン版のページしか用意していないサイト
- モバイル対応が部分的で中途半端なサイト
- パソコン版とモバイル版でコンテンツ量に差があるサイト
モバイル版のコンテンツがパソコン版より少ないとトラフィックが減少する可能性がある
モバイル版が評価の基準になるため、モバイル版のコンテンツがパソコン版より少ないと、SEOの評価が下がる可能性があります。情報量・テキスト・画像・見出しがパソコン版と一致していないと、Googleはモバイル版に存在する情報だけを評価対象とします。その結果、検索からのアクセスが減少し、トラフィックが落ち込む可能性があります。
パソコン版のみで運用しているサイトはすべての検索で不利になる可能性がある
パソコン版のみで運用しているサイトや、モバイル版が脆弱なサイトは、不利になる可能性があります。Googleはインデックスとランキングの両方でモバイル版を使うため、不利になるのはモバイル検索だけではありません。パソコンからの検索を含むすべての検索で順位が下がる可能性があり、ここは誤解されやすいポイントです。モバイル版を用意していないサイトは、評価の基準そのものが欠けている状態になります。
モバイルファーストインデックス対応で順位が上がるわけではない
モバイルファーストインデックスへの対応は、検索順位を直接引き上げる施策ではありません。MFI対応そのものがランキング上昇につながるという理解は誤りで、Googleもこの点を否定しています。MFIへの対応は、モバイル版を正しく評価してもらうための前提を整える対策であり、対応しないとモバイル検索やパソコン検索で不利になるという、評価の土台を守る施策です。
モバイルファーストインデックスの対応方法
モバイルファーストインデックスへの対応は、Googleが推奨する方法を優先順に進めると効率的です。基本となるのはレスポンシブデザインで構築し、パソコンとモバイルでコンテンツ・内部リンク・構造化データを揃えることです。別URLで運用する場合はアノテーションを設定し、robots.txtとmeta robotsの設定も確認します。具体的な推奨方法はモバイルサイトとモバイルファーストインデックスに関するおすすめの方法で確認できます。
レスポンシブデザインで構築する
レスポンシブデザインは、同じURLと同じHTMLを配信し、画面サイズに応じて表示を切り替える手法です。Googleが推奨するモバイル対応の方法であり、パソコンとモバイルでコンテンツが自動的に揃うため、別URLや動的配信に比べて管理ミスが起こりにくくなります。URLが1つにまとまることでアノテーションの設定も不要になり、最優先で検討する手法です。
パソコンとモバイルでコンテンツを揃える
パソコンとモバイルでコンテンツを揃えることは、最も重要な対策です。情報量・テキスト・画像・見出しをパソコン版とモバイル版で一致させ、モバイル版だけ情報が欠けない状態にします。toBサイトは閲覧の中心がパソコン版になりやすく、スマートフォン版とのコンテンツの差分に気づきにくい傾向があります。レスポンシブデザインに対応していないサイトは、必ずスマートフォンでも表示を確認し、パソコン版との差分が生じていないか点検することが必要です。
パソコンとモバイルで内部リンクを揃える
内部リンクもパソコンとモバイルで揃える必要があります。モバイル版にパソコン版と同じ内部リンクの構造がないと、クローラーの巡回が妨げられ、ページの発見が遅れます。発見されないページはインデックスされにくくなり、SEOの評価にも悪影響が及びます。パソコン版で設置している内部リンクは、モバイル版でも同じ構造で用意します。
パソコンとモバイルで構造化データを揃える
構造化データもパソコンとモバイルで揃えます。パソコン版にしか構造化データのマークアップがないと、モバイル版を基準とするGoogleがコンテンツを正しく理解できません。モバイル版にもパソコン版と同一のマークアップを設置することが必須です。優先して揃えたいのは、パンくずリストを示すBreadcrumbList、商品情報を示すProduct、動画を示すVideoObjectの3種類です。
別URLで運用する場合はアノテーションを設定する
パソコンとモバイルで別々のURLを使って運用する場合は、アノテーションを設定して同一のコンテンツであることをGoogleに伝えます。設定が漏れると、パソコン版とモバイル版が重複コンテンツと誤認される可能性があります。常にパソコン版のURLを正規URLとし、モバイル版のURLをその代替URLとして扱い、canonicalとalternateのlink要素で両者の対応関係を示します。
パソコン版にalternateタグを設置する
パソコン版のページには、対応するモバイル版が存在することを伝えるalternateタグを設置します。HTMLのhead内に次のように記述し、media属性でモバイル向けの条件を指定したうえで、href属性にモバイル版のURLを入れます。
<link rel="alternate" media="only screen and (max-width: 640px)" href="モバイルページのURL">
モバイル版にcanonicalタグを設置する
モバイル版のページには、パソコン版を正規URLとして指定するcanonicalタグを設置します。HTMLのhead内に次のように記述し、href属性に対応するパソコン版のURLを入れます。
<link rel="canonical" href="パソコンページのURL">
robots.txtとmeta robotsの設定を確認する
モバイルページがrobots.txtでブロックされていたり、meta robotsにnoindexが設定されていると、スマートフォン用Googlebotがクロールできず、インデックスもされません。モバイルファーストインデックスではモバイル版が評価の基準になるため、パソコン版と同じクロール許可の設定にすることが必要です。モバイル版のrobots.txtとmeta robotsの設定を確認し、意図せずクロールやインデックスを止めていないか点検します。
kunugi SEO Checkerでモバイルとパソコンの差分・モバイル表示を確認する
対応と検証の段階では、ブラウザ上でパソコンとモバイルの差分やモバイル表示を確認できると効率的です。kunugi SEO Checkerは、株式会社クヌギが提供する無料のChrome拡張機能で、デベロッパーツールを使わずにSEOの重要項目をワンクリックで確認できます。
レスポンシブ確認でモバイル幅の表示崩れやコンテンツ差分をチェックする
kunugi SEO Checkerのツールタブにあるレスポンシブ確認では、ウィンドウ幅を変更してモバイル幅での表示を再現できます。ビューポート幅のバッジが表示されるため、現在の画面幅を把握しながら、スマートフォン表示で崩れる箇所やパソコン版から消えるコンテンツがないかをその場で点検できます。レスポンシブデザインに対応していないサイトの差分チェックを、ブラウザだけで素早く進められます。
リッチリザルトテストへのリンクからスマートフォン用のGoogle検査をすぐ開く
kunugi SEO Checkerのツールタブには、リッチリザルトテストへの外部リンクが用意されています。リンクから調査中のページをリッチリザルトテストで開くと、スマートフォン用Googlebotとして取得したレンダリング結果と、検出された構造化データを確認できます。構造化データの確認とモバイルでのレンダリングのチェックを、ページを見たまま素早く開始できます。
モバイル向けコンテンツがGoogleに正しく認識されているかを確認する方法
2024年7月5日にすべてのウェブサイトでモバイルファーストインデックスへの完全移行が終わっているため、現在はMFIが適用されているかを判定する段階ではありません。確認すべきなのは、モバイル版が正しくクロール・レンダリングされ、意図したコンテンツがGoogleに認識されているかどうかです。新しいドメインを公開したとき、サイトをリニューアルしたとき、検索からの流入が減少したときなどに、Google Search ConsoleのURL検査ツールで状況を切り分けます。
Google Search ConsoleのURL検査ツールで公開URLのテストを実行する
Google Search ConsoleのURL検査ツールに対象のURLを入力し、公開URLをテストを実行します。テストの完了後にテスト済みページを表示の項目を開くと、スマートフォンでのスクリーンショット、Googleが取得したHTML、読み込まれたページのリソースを確認できます。ここで、Googleが実際にモバイル版をどのように取得・処理したかを把握できます。
スクリーンショットとレンダリングされたHTMLでモバイルコンテンツを確認する
スクリーンショットでは、モバイル端末でページがどのように見えるかを確認できます。レンダリングされたHTMLでは、Googleが実際に取得・解釈した本文・画像・内部リンク・構造化データを確認できます。パソコン版にはあるのにモバイル版で欠落していたり、非表示になっている要素がないかを点検し、差分が見つかった場合は対応方法のセクションに戻って修正します。この検証の流れで、モバイル版のコンテンツがGoogleに正しく認識されているかを確認します。
